全国800のバラ生産者で構成する日本ばら切花協会。その中から日本一のバラを決める品評会で、27歳にして日本一の商号を手にしたのが松浦泰裕氏である。祖父から3代のバラ農家で、5年間、父の元で生産技術を磨いてきた。松浦バラ園のあるうきは市は、果物の産地として有名。果物の農業算出額が全国平均の9%を大きく上回る34%に達するフルーツ王国だ。花卉栽培も盛んで、ユリ、カーネーション、バラなどが生産されてきた。
うきは市と久留米市の一部から構成されるJAにじには、5件のバラ農家があり、父の世代の生産者5名は「レインボーにじ」のブランドを立ち上げた。5名で切磋琢磨し、情報は共有して生産技術を高め、品質のよいバラのみをレインボーにじのバラとして出荷した。これにより、九州地方ではレインボーにじのバラは、品質のよいバラの代名詞となっている。
さらに、松浦氏の世代では、4名の生産者で「フローリストにじ」のブランドを立上げ、さらに技術の承継、品質の向上、新たな出荷先の開拓に努めた。その結果、2022年5月18日発表の日本ばら切花品評会において、松浦泰裕氏のマンゴーリーバが、日本一となる農林水産大臣賞を受賞し、稲富優介氏の「アバランチェ」が第4位、同じく稲富優介氏の「フェリシタル」が第21位に入賞した。フローリストにじから、同一年度に優勝作品と2つの入賞作品を排出するという快挙。優勝した松浦泰裕氏は勿論、フローリストにじの高い品質が証明される結果となった。
松浦氏のマンゴーリーバは、2023年2月23日の天皇誕生日に、天皇陛下に献上されることとなっている。若くして日本一に輝いた松浦氏の今後の活躍が楽しみだ。