やぎバラ育種農園(静岡県菊川市)
八木勇人さん
一輪で絵になるバラ~ArtRose.~
静岡県菊川市にあるやぎバラ育種農園さんを訪問させていただきました。(2022年5月)
八木氏はとても気さくな人柄で、受賞したバラ、まだデビューしていないバラなどいろんなバラを摘みながら園内を案内してくださいました。圃場には、なかなかお目にかかれない希少なバラがたくさんでワクワクします。
八木氏の農園では、バラ農家でも珍しく育種から生産まで全て行っています。3年に1回、近くの川が氾濫してしまう大変な環境で、土耕栽培・水耕栽培を使い分けながら育種・生産に励んでおられます。
そんな中、なんと今年2022年のジャパンフラワーセレクションでArtRose.『フランベール』がベスト・フラワー(優秀賞)とライフデザイン特別賞を受賞。ArtRose.『フラクタルヴァーズ』が入賞しました。
2021年にはArtRose.『パブロヴァーズ』がカラークリエイト特別賞を受賞しています。
お父様の代からバラの育種を始めて、2019年からはアールヌーボーやアールデコの流れを汲んでオリジナル品種を総称して『ArtRose.』(アールローズ)と名付け、今ではやぎバラ育種農園の代名詞となりました。
”一輪で絵になるバラ”という通り、咲き方や色味にこだわって創られたバラは、本当に一輪で存在感がありなんともいえないアンティークなカラーが魅力的です。八木氏は生産過程で時々出てくる奇形のバラを、「こんなのも可愛いと思うんだけど、出荷するには揃えないといけないんだよなぁ。」といって嘆きます。ちょっと変わった形のバラもどれも可愛くて、その気持ちがとても分かります。
そんな八木氏が一番好きなのはどれですか?と尋ねると、『ヤギグリーン』。2004年、一番最初に”ヤギ”を付けたバラだから思い入れがあるんだとか。今後もこだわりの色を追及していくという八木氏。今年の秋にデビューするバラも今から待ち遠しいですね。